VRグローブを開発するHaptXが全身触覚フィードバックを開発するため1.5m$のNSF助成金を取得
2020年9月29日、高性能なVRグローブを開発するハプティクスベンチャーのHaptXが、バージニア工科大学、フロリダ大学、HaptXを含む研究チームで全身触覚フィードバックのプラットフォームを開発するためにNSF(National Science Foundation:全米科学財団)から1.5m$の助成金を獲得した。
ハプティクスベンチャー HaptXとは
HaptXは2012年にシアトルで創業のハプティクスベンチャーである。数多くのセンサーを搭載した高性能なVRグローブを開発している。この触覚フィードバックの領域は注目されてまだ日が浅く、明確な市場が形成されていないため、資金調達に成功している企業は多くない。同社はそうした業界の中で、20.5m$の資金を調達することに成功している。
HaptXの技術の特徴は、その触覚フィードバック機構にある。特許取得済みのマイクロ流体アクチュエーターを使う。このアクチュエーターは、高変位空気圧アクチュエータとマイクロ流体エアチャネルアレイを含む、柔軟なシリコンベースのスマートテキスタイルとなっている。こうしたマイクロ流体アレイがグローブ全体に130個埋め込まれ、ユーザーの皮膚を押してフィードバックする。
こうしたアクチュエーターを活用して、同社は遠隔操作する把持ロボットの操作を展示会でデモした様子を動画で公開している。
今回の全身触覚フィードバックプラットフォームの狙い
今回NSFから助成金を調達したのは、HaptXのマイクロ流体触覚フィードバック機構を活用し、ロボットの外骨格を組み合わせて、前例のないレベルのリアリズムで全身での触覚フィードバックを実現するもの。
これは、スポーツや産業スキルのトレーニング、ゲーム、緊急時の対応など、集中的な体の動きを必要とするアプリケーションにおけるVRの没流感を高めるために使うことを想定しているという。
なお、日本においてもこうした全身触覚の研究というのは実施されている。有名な取り組みでいくと2019年に発表された帝人・慶應義塾大学大学院・南山大学・Enhance Experience Inc.による、布状の二次元通信システムと、その技術を応用した革新的な触覚体験を実現するハプティクス(触覚)スーツの取り組みが挙げられる(ニュースURL)。
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