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菌糸体を使った高密度肉を作るMeati FoodsがシリーズBで約55億円を調達

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米国コロラド州のベンチャー企業であるMeati Foodsが、7月7日にシリーズBの資金調達ラウンドを実施し、50m$(約55億円)を調達したことを発表した。

今回の資金調達ラウンドは、有名VCのKleiner PerkinsからスピンアウトしたファンドのBONDと、食・農業分野に特化したVCであるAcre Venture Partnersがリードし、既存投資家のPrelude VenturesやCongruent Ventures、Tao Capitalが参画している。

菌糸体から高密度肉を培養する技術

Meati Foodsは2016年に米国コロラド州で設立されたベンチャー企業である。元々はEmergy Foodsとして立ち上がったこの企業は、コロラド大学の支援を受けて事業化された。なお、米国エネルギー省傘下のアルゴンヌ国立研究所の投資組織からも出資を受けている。

同社は菌糸体から高密度肉を培養する技術を開発している。この技術は、菌糸体(真菌の筋肉の根の構造)を単一の主成分として使用し、高タンパク質、高繊維、栄養密度の高い肉を製造することができる。

現在開発中のホールカット肉は、鶏の胸肉、ステーキ、ジャーキーが含まれている。また将来は豚ヒレ肉、デリミートなどの製品も含むことを計画しているようだ。この菌糸体ベースの代替肉は、特徴として高効率で、高栄養価の肉を生産できることを特徴としている。例えば、わずか4.5オンスのMeatiのステーキは、25gの豊富なタンパク質を含み、1日に必要量の1/3の植物繊維、また豊富なビタミンとミネラルを含む。

Meati Foods CEOとCTOによる会社紹介

https://www.youtube.com/watch?v=do71MK1fz9M
同社公開の動画への直リンク

最新の生産施設を建設

Meati Foodsは2021年4月にも18m$(約19.8億円)をデッドで調達しており、今回調達する資金と合わせて、最新の屋内生産施設(同社は”Urban Ranch:都市牧場”と表現している)を建設する。

Meatiの菌糸体は、独自に開発されたプロセスを通して成長の早い独自の菌株を培養する。この菌株培養プロセスは、化学薬品・処理を行わないものであり、自然な繊維質テクスチャーを形成する。この菌株成長プロセスは、24時間ごとに4,500頭の牛に相当する肉を生産することができ、従来の工業用肉生産と比較して、水と土地を1%未満しか必要としない。

今回の出資を行ったAcre Venture PartnersはMeatiについてこう述べている。

「Meatiの栄養、食感、価格の多様性に匹敵する市場の他の製品はありません。Meatiは新しいカテゴリーの食品を作成しています。」

 

同社HPはこちら


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  • 記事・コンテンツ監修
    小林 大三

    アドバンスドテクノロジーX株式会社 代表取締役

    野村総合研究所で大手製造業向けの戦略コンサルティングに携わった後、技術マッチングベンチャーのLinkersでの事業開発やマネジメントに従事。オープンイノベーション研究所を立ち上げ、製造業の先端技術・ディープテクノロジーにおける技術調査や技術評価・ベンチャー探索、新規事業の戦略策定支援を専門とする。数多くの欧・米・イスラエル・中国のベンチャー技術調査経験があり、シリコンバレー駐在拠点の支援や企画や新規事業部門の支援多数。企業内でのオープンイノベーション講演会は数十回にも渡り実施。

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