植物由来食品・飲料を開発するNotCoが約260億円をシリーズDで調達
植物由来食品・飲料を開発しているチリのベンチャー企業であるNotCoは、シリーズDで235m$(約260億円)の資金調達を実施したと、7月26日に発表した。
今回の資金調達に際して、同社の評価額は15億ドル(約1,650億円)となっている。リードインベスターは投資会社のTiger Globalで、DFJ Growth FundやZOMA Labなどの財団系のファンド、そして個人ではアスリートでレーサーのルイス・ハミルトン、テニスのロジャーフェデラー等の著名人も出資を行った。
ジェフベゾスも支援する有望フードテック
NotCoは2015年に設立された急成長フードテックである。
Amazon創設者のジェフ・ベゾスが個人で運営するベンチャーキャピタルも同社には出資しており、今回のシリーズDでも追加出資を行っている。これまでの累計資金調達額は350m$(約385億円)にも上る。
フードテック版マテリアルインフォマティクス
NotCoのアプローチはややユニークだ。
同社がジュゼッペ(Giuseppe)と呼んでいる独自開発のAIは、植物の無数の組み合わせから、動物性食品を複製するのに最適な組成の候補を探し当てる。いわば、マテリアルインフォマティクスをフードテックで活用している。
同社によると、我々が食べる西洋果物・野菜は約200種類の植物から成り立っている。そして、食用植物の種類は30万種あるという。データベースにある数千もの植物を分析し、組み合わせて、動物性食品・飲料を模倣した味・香り・食感を再現する。
例えば、ミルクのクリーミーさに寄与しているラクトンという分子は、パイナップルにも含まれている。同社によると、分子レベルで見るとこれらは類似な点があり、植物性ミルクを開発する上で、パイナップル由来のラクトンを使うことができる。
乳製品・卵・肉製品を代替する植物由来製品を発売中
NotCoは、米国、ブラジル、アルゼンチン、チリ、コロンビアでNotMilk™、NotBurger™、NotMeat™、NotIceCream™、NotMayo™などの、乳製品・卵・肉製品という3つの主要な動物性タンパク質カテゴリで植物由来の代替製品を発売。わずか数年足らずで急成長企業となっている。
7か月前には米国でNotMilk™を発売開始。年末までに8,000の小売店で取り扱う予定となっており、すでにホールフーズマーケット、スプラウト、ウェグマンズなどの食品小売りで米国全土で発売されている。
今回調達した資金は、北米での新しいカテゴリーへの製品拡大を強化し、独自のAIテクノロジーのコア技術を拡大し、ヨーロッパとアジアでの販売計画を加速するために活用される予定だ。
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【世界の植物性食品・飲料の技術動向調査に興味がある方】
世界の植物性食品・飲料のベンチャー企業や大学研究機関の新規技術の動向や、ロングリスト調査などに興味がある方はこちらも参考。
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参考文献:
1) 母親を中心としたコミュニティMomsMeetでのレビューはこちら
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