シリーズAで約20.5億円を調達した自律型芝刈りロボットを開発するScythe Robotics
Scythe Roboticsは自律型芝刈りロボットを開発しているベンチャー企業だ。同社は2021年6月にシリーズAで1,860万ドル(約20.5億円)を調達し、ステルスモードから脱出した。
労働集約的な芝刈り作業
CEOのJack Morrison氏は、ジョージワシントン大学でロボット工学の博士号を取得し、協調ロボットの自律性と知覚を研究していた。
Jack氏はアカデミアではなく、実用的なロボットを作ることに情熱を持っており、Replica Labsを共同設立し、初期のスマートフォンの単眼カメラで、高密度の3Dスキャンシステムを構築して提供していた。
当時、週末にJack氏は芝刈りをするのに何時間も費やしていたが、Jack氏にとっては好んで行っている活動ではなく、これまで培ってきたロボット技術を活用することで、芝刈り作業は自動化できることに思い立った。
Jack氏によると、芝刈りの業界は、米国で4,000万エーカー(16万km2)もの芝草が存在しており、慢性的な人手不足に苦しんでいるという。造園作業において、草刈りは作業全体の労働力の約40%であることがわかったが、作業自体の利益率は低い。
一方で、芝刈りだけでなく、通気や葉の吹き付けからゴミ拾いや肥料の散布まで、同じ自律性を活用してロボットが解決できる一連のタスクがあることもわかった。Jack氏はシリアルアントレプレナーのIsaac氏と、電気技師のチームメイトであるDavis氏を誘い、課題を解決する自律型ロボットの開発に着手した。
ビジョンベースの自律型ロボット
同社のロボットは自動車グレードのHDRカメラ、周囲を囲むように搭載された12個の超音波センサ、2個の慣性センサ、GNSSという複合的なセンサシステムで構成される。
取得した情報をリアルタイムでマッピングしていくSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)によって、屋外環境でスムーズに障害物を避けながら自己位置推定を行い、事前に設定した経路を通って芝刈りを行う。
機械学習を使ったビジョンシステムは、2年以上フィールドで草刈りを行うことで、学習に必要な実環境の様々なシナリオのデータを収集している。
すでに同社の社員はエンジニアを中心に約30名となっている。今回調達した資金を活用して、同社は自律型芝刈りロボットの生産に向けて開発を進めていくという。
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