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高度なAIによるピッキング・仕分けロボットのAmbi RoboticsがシリーズAで約28億円を調達

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高度なAIによるピッキング・仕分けロボットを開発している米国ベンチャー企業のAmbi RoboticsがシリーズAで26m$(約28億円)の資金調達を実施したことを発表した。

今回の出資は新規投資家のTiger Global Managementをリードインベスターとして、既存投資家のBow Capital、Vertex Ventures US、The House Fundらが参画している。

実用的な高速小包仕分けシステム

Ambi Roboticsは2018年に設立されたばかりのベンチャー企業だ。同社は今年3月にシード資金を調達してステルスモードから脱却し、急速に成長している。

世界中で市場が急拡大しているE-コマースの倉庫向けの高速小包仕分けシステムを開発している。ハンド部分に3つの吸盤が見て取れるが、ツールはアイテムに応じて変更することができる。センサーで物体形状やサイズを認識し、小包を高速で仕訳けていくが、同社のソリューションの1つであるAmbiKitは、商業生産環境で1分あたり最大60個のアイテムを正常に分類することができるという。

https://www.youtube.com/watch?v=iYkg3woXB1A
同社公開の動画への直リンク

強みはシミュレーションを活用した高速学習

同社の強みは、シミュレーションを活用した高速なAIアルゴリズム(ディープラーニングベース)の学習である。

通常、ピッキングロボットを顧客の倉庫で適切に稼働させるには、顧客が扱う小包の種類やサイズなどを元に、問題無く認識して仕訳けられるように学習させるプロセスが入る。同社は独自に構築したシミュレーションによる高速学習を使う。Ambiはこの特徴を「Simulation to Reality powered by AmbiOS」と表現する。

同社によると、この学習速度は他のロボットと比べて10,000倍速いと主張しており、学習はわずか数時間オーダーで完了する。学習が完了したピッキングロボットは、顧客の倉庫内で初日から数百万個の小包を仕分けすることができるという。

(補足)10,000倍速いというのは、恐らくシミュレーションを使わないで実環境やテストデータを与えて学習させるものと比較しているものと想定されるが、「正しいデータセットがそろっていれば」シミュレーションで数時間オーダーで学習できるようだ。

Pitney Bowesが採用

Pitney Bowesは、Eコマース向けの商品の受注から決済に至るまでの業務を受託サービスとして展開しているグローバル大手企業だ。

Pitney Bowesは1年間、自社の倉庫でAmbiの小包仕分けシステムであるAmbiSort Systemを試験運用し、良評価だったことから、今後5年間で米国内にあるEコマースハブに展開していくことを発表している。

Pitney Bowesは、米国の小包の量が2026年までにほぼ2倍になると予測しており、Eコマース領域では業務効率化・自動化が強く求められている。Ambiはそうした市場動向を追い風に、急速にスケールのための準備を進めている。

 

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  • 記事・コンテンツ監修
    小林 大三

    アドバンスドテクノロジーX株式会社 代表取締役

    野村総合研究所で大手製造業向けの戦略コンサルティングに携わった後、技術マッチングベンチャーのLinkersでの事業開発やマネジメントに従事。オープンイノベーション研究所を立ち上げ、製造業の先端技術・ディープテクノロジーにおける技術調査や技術評価・ベンチャー探索、新規事業の戦略策定支援を専門とする。数多くの欧・米・イスラエル・中国のベンチャー技術調査経験があり、シリコンバレー駐在拠点の支援や企画や新規事業部門の支援多数。企業内でのオープンイノベーション講演会は数十回にも渡り実施。

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