カナダのElectrovayaが全固体電池の初期テストの結果を発表
カナダのリチウムイオン電池メーカーであるElectrovayaが、その研究部門であるElectrovaya Labsで開発している全固体電池の初期テストの結果を公開した。
フォークリフト等の商用向け電池などに強み
Electrovayaは1996年創業のカナダの電池企業である。2000年にトロント証券取引所に上場しており、その後2002年にGMとEV向けの電池の開発で提携を行うなど、車載向け電池についても開発を行っていたが、現在はピボットし、商用向け電池で展開している。
メインアプリケーションはフォークリフトであり、他にもストレージ向け蓄電池なども手掛けている。
FY2020は大きく売上を拡大し14.5m$と前年の約3倍に拡大。しかし現在3期連続で赤字が続いており、赤字幅は大きく減少しているものの、事業展開にはやや苦戦している、という状況の企業だ。
室温コイン電池での実験
Electrovayaは、NMC正極・リチウム金属負極を使った全固体電池を開発しており、今回、コイン電池での実験結果をプレスリリースした。結果としては室温で、80サイクル後でも容量保持を達成したという。
「初期の結果は、容量の低下が最小限であることを示しており、複数のテストにより、室温でのコイン電池での性能の再現性が実証されています。」と同社は述べている。
なお、実験は100%DoD (3.0-4.2V)、C/4充放電率(※1)で実施されている。
※1 DoDは放電深度(Depth of Discharge)と言われ、放電容量に対する放電量の割合となっている。一般に、放電深度が深いほど劣化が進行していき、電池がダメージを受けやすい。C/4とは、1Cで1時間で満充電が可能な電流の大きさであるため、4時間で満充電できる電流量という意味。
2022年第一四半期までに大型ポーチセルの開発を狙う
同社は合わせて、2022年第1四半期までに大型ポーチセルの開発を進めることを明らかにした。その後、全固体電池技術をスケールアップして商品化する予定であるという。
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