ウェアラブル医療機器スタートアップ・Avation MedicalがシリーズCで22m$調達、旭化成などが応じる
米国のウェアラブル医療機器開発スタートアップであるAvation Medicalは、シリーズC調達ラウンドで22m$(約34億円)を確保した。2024年2月、同社が発表した。
過活動膀胱(OAB)による失禁や尿意切迫感をコントロールするデバイスを開発しており、すでに米食品医薬品局(FDA)が認可、米国の一部地域で利用が始まっている。
Avation Medicalが取り組むOABとは?同社の基本情報とともに解説
Avation Medicalが課題解決に取り組むOABとは、膀胱が過敏になる症状だ。これに伴い、尿失禁や尿意切迫感が生じる。従来は、生活改善や訓練による治療が行われていた。
欧米では40歳以上男女の16〜17%程度がOABの有病率とされる。日本では、40歳以上男性が462万人、同女性が394万人、合計856万人のOAB患者がいると推計されている。なお、この年代の日本の人口は約6877万人だ。
解決策として、Avation Medicalは足に装着する非侵襲性神経調節治療システム「Vivally」を開発した。まずVivallyから神経に電気を流す。電気により求心性神経線維が刺激され、不随意運動が起こらないよう脳の調節が働くという。
前述のように、2023年4月にFDAがVivallyを認可。米国の一部地域で、処方箋を受けた上での利用が可能となっている。
Avation Medicalは2016年、Johnson & Johnsonなどでヘルスケア事業に携わってきたJill Schiaparelli CEOと、多数の医療機器開発スタートアップの経営をしてきたKevin Wasserstein氏(現ボードメンバー)によって設立。今回のシリーズC調達ラウンドを含め資金調達した総額は、34.9m$(約54億円)に上る。
シリーズCに応じた事業会社は旭化成とMedtronic
シリーズC調達ラウンドでリードインベスターとなったのは、ShangBay Capitalと旭化成で、どちらも新規投資家である。その他、既存投資家である米医療機器大手・Medtronicも応じている。
Avation Medicalは資金の使途として「Vivally System の米国での立ち上げに使用される予定」としており、販売地域を拡大していく模様だ。
シリーズC調達ラウンドを終え、Schiaparelli CEOは今回出資したAngelini Venturesと旭化成がボードメンバーに加わることを明かしている。
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