AIデータラベリングのScale AIがシリーズFで評価額が約2兆1700億円に
AIモデルトレーニング用のデータラベリングを提供するスタートアップ、Scale AIがシリーズF調達ラウンドで$1b(約1570億円)を調達した。2024年5月、同社が発表した。
2016年にサンフランシスコでスタートした同社のデータラベリングは、現在MicrosoftやOpen AIを含む300社を超える企業に導入され、この分野における重要な役割を担うまでに成長している。
AIモデル開発の基幹であるデータの管理を支援
データラベリングとは、AIモデル開発における前処理の1つ。AIモデルは構造化されていないデータをすぐに使用することができないため、データにラベル付けを行う必要がある。画像データやテキスト、動画データなどに正確なラベリングをすることで、よりAIの精度を高めることが可能だ。
Scale AIはデータラベリングを支援するため、ソフトウェアと人双方による監視を融合したサービスを提供してきた。自動運転のAIトレーニング用に、大量の画像データ処理とラベリングを行う事業からスタートし、現在ではデータの収集、アノテーション(データへのタグ付け作業)、キュレーション(データの選別・編集作業)、さらにAIモデル構築と監視を支援するサービスへと事業を拡大している。
クライアントには、トヨタ自動車、General Motors、Microsoft、Metaのほか、2023年8月からはChatGPTの開発元であるOpenAIが名を連ねている。さらに米国防総省の陸空軍へのAI技術導入もサポートする。
シリーズFラウンドはNVIDIA、Amazonなどが投資。人材獲得へ前進
今回のシリーズF調達ラウンドはAccelがリードインベスターになり、NVIDIAやAmazon、MetaなどITの最大手企業が投資に参加した。また、Ximianの創業者であるNat Friedman氏も応じている。
さらに同社は評価額が$13.8b(約2兆1,700億円)に到達したと発表。2021年4月時点の$7.3bからほぼ倍増となっている。「ゴールドラッシュ」とも表現されている生成AIビジネスへの投資熱の高まりを反映しているといえるだろう。
Scale AIは資金調達を「汎用AIの未来を切り開くための最先端データの蓄積を加速するため」としており、CEO・共同創業者であるAlexandr Wang氏は次のようにコメントした。
「エンジニアリング、オペレーション、AIにおける最高の人材を結集する必要がある。一方、われわれは豊富なデータ、最先端のLLM(大規模言語モデル)をさらに拡大し続けるための生産手段を有している。GPT-10に到達するため、データに制約されるべきではない」
以上から、人材獲得への資金活用がうかがえる。
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