RecogniがシリーズCで102m$確保、自動運転・自動飛行向けチップが評価
AI推論チップの開発が中心のスタートアップ・Recogniが、シリーズC調達ラウンドで102m$(約15.6b¥)を確保した。2024年2月、同社が発表した。
現在のAI分野ではGPUが利用されているが、消費電力が大きく、またGPUそのものが不足する状況に陥っている。この点で、Recogniのチップ、ソリューションに期待が寄せられており、調達資金で課題解決を進めていくと見られる。
Recogniとは?1000TOPSのAI向けチップを開発
2022年12月にRecogniが発表した低消費電力AI向けチップ・Recogni Scorpioは、1000TOPS(秒間1000兆回の命令を実行)クラスのもので、Recogniの説明によればこの能力を持つチップは「世界初」だという(しかし、NVIDIAも同等の能力を持つAtlanを2021年に発表し、2025年に製品出荷予定)。
Recogni Scorpioは、自動運転プラットフォームでの活用を想定したチップだが、AIによる自動飛行システムを開発するスタートアップ・Daedaleanの視覚認識処理エンジンにも採用された。チップが組み込まれるDaedaleanの飛行制御ユニットは、米連邦航空局が定める要件を満たしものだ。
その他のRecogniに関する情報は、本コラムの以下の記事をご参照いただきたい。
参考記事:低電力・リアルタイム処理が強い自動運転マシンビジョンAIを開発するRecogni
シリーズCの概要|BMW系が再投資、次世代製品開発へ活用
今回のシリーズC調達ラウンドは、リードインベスターとしてCelesta CapitalとGreatPoint Venturesが主導し、既存投資家のBMW i Venturesなど4社、新規投資家のベンチャー・キャピタル(VC)2社が参画している。
これまでもBMW i Venturesだけでなく、トヨタベンチャーズやRobert Bosch Venture Capital、タイヤメーカーのContinentalといった自動車関連企業、コーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)が出資してきた。
今回の資金調達の背景について、GreatPoint VenturesのAshok Krishnamurthi氏は次のように述べている。
「AIアプリケーションで求められる情報処理の量は専門家の予想より大幅に増加する。現段階では(AIソリューションでの)電力消費に対処することが重要で、それが成し遂げられれば運用コストは大きく削減される」
今回調達した資金は、Recogniの次世代システム開発を推進するために利用される。さらに、総所有コストを最小限に抑えながらパフォーマンスと電力効率を向上させることを狙う。
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